ASD息子の口腔機能

保育園

こんにちは、STママ かこです。

自閉スペクトラム症などの発達障害のお子さんで、『いつもお口がぽかんと開いている』『食事の際、あまり噛まずに飲み込んでいる』『発音がおかしい』といった状態の子、いませんか??

それ、口腔機能発達不全症かもしれません!!

口腔機能発達不全症の病態とは”「食べる機能」「話す機能」「その他の機能」が十分に発達していないか、正常な機能獲得ができておらず、摂食機能障害の明らかな原因疾患がなく、口腔の機能の定型発達において個人的因子あるいは環境因子に専門的な関与が必要な状態”とされています。

日本歯科医学会「小児の口腔機能発達評価マニュアル」にある「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」より

以前から小児科や療育施設、児童発達支援事業所等では指導の対象でしたが、最近では、歯科にて気軽に相談できるようになりました。

2018年4月から、お口の機能の発育に何らかの遅れがあり、歯科医院などで「口腔機能発達不全症」と診断がされれば、保険診療で歯科医院において指導や管理が受けられるようになりました。

また、2020年4月からは、離乳完了前(授乳期間を含む)の時期のお子さんも、指導や管理の対象になりました。

さて、息子の場合はというと…

『いつもお口がぽかんと開いている』

とにかくヨダレが多い!! 赤ちゃんの時から、縦抱き抱っこの時にはヨダレが親の服にも付くこと必至だったので、タオルやハンカチでガードしたり、洗濯のできる服しか着なかったりで対応。よだれかけは3~4歳ごろまでつけていたと思います。

ヨダレが多い…というより、口元の筋肉が緩く、常に口が空いた状態口呼吸状態なので、毎年誰よりも早く風邪やインフルエンザなどの感染症に罹っていました。

「お口開いてるよ、んーって」閉じるよう声かけると一時的に閉じますが、また遊びやテレビに夢中になるとヨダレが垂れるといったこともしばしば。

口呼吸から鼻呼吸へ治す方法として『あいうべ体操』あります。

息子にも、就寝前などに声かけて「30回ね」などと行っていました。うちの場合はうまく継続できず、中学生の今でも何かに夢中になっていると『お口ぽかん』状態です。さすがにヨダレは垂れませんが、唇がよく乾き、冬場はリップが必須です。

『食事の際、あまり噛まずに飲み込んでいる』

離乳食をすすめる際、ご飯がペースト状から粒上、軟飯と形態が変わっても、咀嚼はそこそこに丸呑み傾向でした。「もぐもぐよく噛んでね」と声掛けしてもしっかり咀嚼せずに、肉など「おえっ」と吐き出すこともありました。食べることが大好きなのに、「おえっ」となって涙目になる息子…

まだ幼児の息子には、咀嚼を必要とするガムやグミを食べさせるのに、窒息のリスクがありました。そこで、おやつの時にきゅうりや人参、りんごなどスティック状にして手で持たせ、「ぽりぽり」「かりかり」。硬さや食感を感じてもらいながら、よく噛んで食べさせました。

歯もしっかり生え、噛む力もついて、今では滅多に「おえっ」となることはありませんが、なぜかご飯だけは今も咀嚼不十分じゃないかと感じるSTママです。

『発音がおかしい』

そして発音。専門的には『構音』といいます(厳密には発音≠構音です)。

子どもの構音の発達には順番があり、母音の完成が約3歳、子音の完成が 5~7 歳といわれています。子音には、早期に獲得される音と獲得が遅い音があります。子どもの構音が完成するまでには、後期に獲得する音が早期の音になることがありますが(未熟構音)、これらは発達途上の音の誤りなので心配いりません。(例:「さ」が「た」になる。)

年齢完成する構音
2歳代パ行、バ行、マ行、ヤヨユワン、母音
3歳代タ行、ダ行、ナ行、ガ行、チャ行
4歳代カ行、ハ行
5歳代サ行、ザ行、ラ行


また、子どもがことばを習得する過程で、「エレベーター」が「エベレーター」になるような音の入れ替わりがみられることがあります。これは構音の誤りではなく音の配列の誤り(音韻認識)であり、ことばの発達に伴い自然に消えるといわれています。
未熟構音や音韻認識は個人差がありますが、5~6 歳で消失すると言われています

息子も構音が拙劣で、5歳8ヶ月の時点で、「き」→「ち」、「ぎ」→「じ」、「け」→「ちぇ」といった誤りがありました。「ケーキ」と言ってるつもりが「チェーチ」となっていました。それまでも、本人なりにゆっくり構音を獲得できていたので、いずれ正しく言えるようになるだろうと考えていました。

息子は年少の時から、児童発達支援事業所で個別ST(STママ【かこ】よりも超ベテラン言語聴覚士)を受けていたのですが、5歳8ヶ月時のST評価について説明をされた際、「お母さん、STですよね?構音はお母さんが訓練したらどうですか」と言われ…!

実は、それまでにも助詞の使い方なども未熟であったため、STママとして自宅で構文訓練などをしていました。しかし、普段の臨床と違って、自分の子だと感情が表に出てしまい、冷静になれず、イライラして叱りながらの訓練となることが多かったのです。息子もビクビクした反応となり、本人にとってもしんどかったと思います。

それからはお互いの精神衛生を重んじ、『この子のママは私しかいないんだから、ママに徹する!!』と訓練はしなくなりました。ただ、育児の中で絵本の読み聞かせや、分かりやすい言葉かけ・気持ちの言語化などは続けていました。

そこへ、ベテランSTのお言葉。

週1回の決まった時間の中でのセラピーで、STがやりたい課題はたくさんあり、そこへ構音訓練を追加となると大変だな、というのはすぐに理解できました。それに、構音訓練は練習量も大事です。いずれにしても自宅でのホームワークも行わなければ、効率よく獲得できません。

『・・・分かりました。やってみます。』

STママが、ASD息子に構音訓練を施すことになったのです・・・!!

構音訓練に関しては、別の記事でお話したいと思います。

いかがだったでしょうか。

発達障害であっても、口腔機能の未熟さがある場合があり、病院や施設で言語聴覚士などの訓練対象となります。現在では口腔機能発達不全症として、歯科等で気軽に指導が受けられますので、気軽に相談してみてください。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

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