息子が発達障害であるとわかったのは、10年も前の話です。まだ世間一般には「発達障害」という言葉は浸透していませんでした。
3才児検診で、保健所で新版K式発達検査を行いました。3歳7ヶ月で検査したところ、
姿勢・運動領域:3歳1ヶ月
認知・適応領域:2歳7ヶ月
言語・社会領域:2歳7ヶ月
という結果に。
課題通過年齢に至っては、
姿勢・運動領域:2歳6ヶ月~3歳0ヶ月
認知・適応領域:2歳3ヶ月~3歳6ヶ月
言語・社会領域:2歳0ヶ月~4歳0ヶ月
言語・社会領域に問題ありそうだな、と思ってはいましたが、課題によって出来不出来があり、2歳もの開きがあったのです。(言語・社会領域の検査でも、項目によって2歳レベルだったり4歳レベルだったりすること)
「発達に凸凹があり、その得意・不得意の差が大きく、自信のなさにつながっています。児童発達支援事業所の利用をおすすめします」
診断名は言われませんでしたが、STママとしては「うん、なるほど、そうだよね。発達障害ですよね、ほぼ自閉スペクトラム症ですよね…」と思いながらも、この現実を受容できるのに一体何年かかったか・・・
そして週1回、児童発達支援事業所で個別のST訓練を行うことに。
STの子をSTに診てもらう!! こんなことが自分に降り掛かってくるなんて! もう開き直ってお願いするしかありません。
さて、そうなると週1回保育園を休んで、児童発達支援事業所に通うのですから、近隣に住む義両親にも話をするときがやってきます。
かこ 「・・・そこで言葉発達を中心に個別で訓練を受けてるんです。発達障害だと思うんですが・・・」
義母 「発達障害って・・・、発達してるじゃん」
かこ 「うーん、そうなんですけど、発達具合に得意・不得意の差が大きくて、知ってる言葉は比較的多いんですけど、それをうまく運用できなくて・・・コミュニケーションのやり取りがうまくいかないことが多くて・・・」
義母 「そう?? 会話できてるけど」
初めてのカミングアウトは、何気ない会話の中でこんな感じで・・・『STのくせに、もっと下準備しとけばよかった!!』『この嫁、何言ってんの?自分の息子を障がい者にしたいの?って思われたに違いない!!』とひたすら後悔。
それから月日が流れる中で、保育園の運動会やお遊戯会で、全く不動で立ちすくんでいたり、周りの子はダンスしてるのに、そうただけ泣き叫んで地面にのたうち回ったりする様子を義両親も目にし、言葉のやりとりも、そうたと同い年の従兄弟に比べると幼稚で、話もあまり聞いてないといった場面に出くわし、「確かに普通じゃないかも」と思ってもらえたようです。
その後、NHKで【発達障害って何だろう】という特集が組まれ、様々な番組で発達障害を取り上げるという期間がありました。
私の準備した資料なんかよりも、客観的にそうたを見てくれる、いいきっかけになるのでは、と『こんな番組をNHKで放送するから見てほしい』とお願いしました。
さすが、NHKさんの番組ですから、しっかり見てくださり、感想をメールしてくれました。息子の状況を「ある程度共有できたな」と思えたことは、なんだが理解者が増えたようで安心感に繋がりました。
今や、「発達障害」とネットで検索すれば多くの情報に触れることができますが、ネットの扱いが苦手な高齢な方などには、NHKの番組は有効です。やはり信頼度が違いますね。現在【発達障害って何だろう】の特集番組をテレビで見ることはできませんが、ネットで検索すると分かりやすく内容を見ることができます。
親でさえ発達障害の理解・受容することはとてもハードです。祖父母となると、かわいい孫に障害があるなんて、考えにくいでしょう。時間をかけ、信頼できる客観的な情報を少しずつ提供し、成長をともに感じることが、祖父母の理解に繋がったのだと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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